ニューロダイバーシティ(Neurodiversity 略:ND, 別名:神経学的多様性, 脳の多様性)とは、狭義にはヒトの神経学的な認知の方法・あり方に関して、多様性があるという事実のこと。あえてこの言葉が使われる際は、その多様性を尊重し、適切な施策を行うべきだというニュアンスが含まれる。
広義には、ASDやADHD、定型発達などの神経学的な認知の特性の多様性に対し、それを劣ったもの(障害)や矯正すべき対象ではなく、民族やジェンダー、人種などのような社会的カテゴリと捉えるニューロダイバーシティ・[wj>パラダイム|パラダイム]、及びそれを元にした当事者の権利運動や企業や行政の施策、学問領域などの諸々の活動の総体を指す。日本ではまだあまり浸透していない。
アスペルガーやADHD、定型発達(いわゆる健常者)などの違いを(遺伝子疾患などではなく)普通のヒトゲノムの差異の結果として捉える。いわゆる社会モデル 少数派である特定のカテゴリに属する当事者について、その直面する困難を少数派である当事者の問題(障害)として捉えてきた従来の考え方に対し、多数派のために最適化された環境がマイノリティの困難を生み出しているという考え方。例えば多数派のヒトが空を飛べるという世界線の下では、建物の入り口は空中にあるはずであるから、飛べない個体は建物に入ることができない。したがって、「障害者」として定義される。あるいはメガネがなければ、視力がやや悪い人は「障害者」として扱われるはずである。このように、「障害」は社会が形成していると考える。詳しくはこちらを採用している。脳科学の発展と人権意識の高まりを背景に生まれた当事者運動である。
ASDやADHDなどの神経学的な少数派(ニューロマイノリティ)に対し、定型発達の人と同じように振る舞わせるために矯正・治療するというアプローチではなく、特性を多様性として尊重・配慮することを前提とした社会形態や行政・教育機関・企業などの施策を支持し、ASDやADHDなどの違いを排除や同化の対象とせずに社会の中で活かしていくことを指向する。