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発達障害 (非定型発達)

発達障害(神経発達症/神経発達障害| 英:Developmental disorders/ Developmental disabilities)とは、先天的な脳の働き方が多くの社会における多数派のものとは異なるもので、自閉スペクトラム症注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれる。同じカテゴリの当事者の間でも特性の現れ方が違うことがある。また、いくつかが併発することがある1)。以下の「表記のゆれ」で述べるように発達障害の表記の仕方には様々なものがあるが、差別的なニュアンスをできるかぎり廃するため、本項では特別な事情がない限り発達障害のことを「非定型発達」と呼ぶ。

表記のゆれ

 いわゆる「発達障害」については、主に以下の4つの呼び方がある。

発達障害 (発達障がい/発達障碍)

 「発達障害」とは、政府の法律や一般的な場で使われるもっとも有名な用語である

参考:

発達障害者支援法(平成十六年十二月十日法律第百六十七号)

 なお「障害」という表記については議論がある。もともとは「障碍(障礙)」と表記されていたが、戦後、簡略字体を採用する動きに伴い、「害」という字に置き換えられた。元来の「碍」は「さまたげ」という意味で、「傷つける、悪い影響をおよぼす」という意味の「害」とは根本的に異なる。そのため、本来の意味を通そうと、現在は「障碍」「障がい」と表現する団体・個人がある。そのため、発達障碍/発達障がいという表記もありうる。一方で日本放送協会(NHK)は、「障害」はその人自身ではなく社会の側にあり(いわゆる「社会モデル」)、障害者とは社会にある障害と向き合っている人という意味と捉え、あえて障害者の表記を行うとしている 3) 。ただし、現状で障害は社会の側にあるから障害者という表記がされるのだと受け取っている視聴者は少ないと思われる。

神経発達症群/神経発達障害群

 神経発達症群/神経発達障害群とは、アメリカ精神医学会が作成する診断基準であり、世界保健機関(WHO)の作成するICDと並ぶ事実上の国際基準であるDSMの最新版DSM-5で新たに用いられた概念で、発達障害・知的障害・一部の精神障害を総称したものである4)。なお同基準の翻訳にあたっては、日本精神神経学会においてDisorderをDisabilityと同じく「障害」と訳すことで、Disorderが「障害」を指すと混同され、“不可逆的な状態にある”との誤解を生じることもあるとして,DSM‒5の全病名で,「障害」を「症」に変えた方がよいとする意見が少なくなかった。特に児童青年期の疾患では,病名に障害とつくことは,児童や親に大きな衝撃をあたえるという意見もあった。一方で,「症」とすることは過剰診断・過剰治療につながる可能性があるなどの反対意見もあり,専門学会の要望の強かった児童青年期の疾患と不安症およびその一部の関連疾患に限り「症」に変えることにした。ただし、すでに旧病名が広まっているものに関しては、参考として「障害」とする旧病名が併記された。結果、発達障害及び知的障害の一部が症/障害を併記する形となった5))。

ニューロマイノリティ(Neurominority)

 ニューロマイノリティとは、California Institute of Integral Studies(CIIS)准教授で性的マイノリティ自閉スペクトラム(ASD)の当事者でニューロダイバーシティ研究の第一人者の一人であるNick Walker氏が提唱した概念・Neuro-minorityの日本語表記である。直訳は「神経学的少数派」。同氏はニューロマイノリティという言葉を、「神経学的に定型でない人々を指す、良い、病理化しない言葉」として考案した6)。現在、特にニューロダイバーシティを支持するASDやADHD,統合失調などの当事者や支援者の間で積極的に使われている。しかし、日本では地名度が低いことからニューロダイバーシティを支持していてもあえて知名度の高い「発達障害」など他の用語が使われることが多い7)。対義語はニューロマジョリティ(神経学的多数は)又はニューロティピカル(神経学的に典型的な発達をする人。定型発達)。

非定型発達

 精神科医の水島広子さんによれば、「非定型発達」とは、脳の発達の特性に凸凹があるタイプで、それは社会生活に支障をきたす(発達障害に該当する「病名」の診断が下りる)こともあれば、特に支障をきたさないこともある8)。発達障害という言葉は適切ではないとして考案された言葉であり、上述の「ニューロマイノリティ」とほぼ同義(あるいは訳語の1つ?)である。対義語は定型発達

非定型発達の全般を扱う支援/研究機関

支援機関一覧

ライフハック

個別の「障害」のライフハックについては、以下もご確認ください

発達障害の当事者に関する法律・条例・政令など

 本項では、法令によって定められた「発達障害者」に関する法律について扱う。

発達障害者を主に想定した法律・条例や政令など

障害者全般に関する法律・条例や政令など

非定型発達に関する記念日・記念月間など

4月2日 世界自閉症啓発デー:当事者を疎外し、「自閉症の当事者がいかに恐ろしいか」を啓発して偏見を助長する場面が散見されたため、当事者や人権団体からは批判の対象になることがある。

6月18日 自閉プライドデー(Autistic Pride Day):世界自閉症啓発デーに対抗して当事者コミュニティが立ち上げた、当事者の尊厳を祝うための祭日

非定型発達の当事者に対する差別

wikiの編集における当事者原則 

本項について当事者・または専門家以外が書く場合は、その旨を添えてください。

非定型発達全般に関するもの

自閉スペクトラム

ADHD

学習障害

何らかの非定型発達のグレーゾーンに該当する当事者

1)
厚生労働省「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス」 (https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html 最終閲覧日:2021/11/02)
2)
文部科学省 「発達障害者支援法(平成十六年十二月十日法律第百六十七号) (https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/1376867.html より)
3)
「NHKが「障がい者」ではなく「障害者」を使いつづける理由」https://ananweb.jp/news/84910/
4)
特定非営利法人メルケア (https://www.melcare.jp/発達障害とは-1/) 最終閲覧日 2021/11/07
5)
日本精神神経学会 精神科病名検討連絡会「DSM‒5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版」(https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf)最終閲覧日 2021/11/07
6)
wikipedia ニューロダイバーシティ 最終閲覧日:2021/11/07
7)
ニューロダイバーシティを推進するNPOの代表である私の実感です — yuki (管理人) 2021/11/07 13:19
8)
「「非定型発達」って?「フツー」に苦しめられた漫画家・細川貂々さんと精神科医が伝えたいこと \\「普通でないなら、もう漫画家はやっていけない」 。そう思っていたという漫画家・細川貂々さんは、どう非定型発達の特性と付き合ってきたのか?」(https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_603eec02c5b601179ec136c3) 最終閲覧日:2021/11/07