生きづらさのない社会へ

が尊重された
「どの発達特性でも、
幸せに
生きて、
活躍しうる
機会が公正にある
世界」を
目指します
↗︎ 参加について 📣 寄付について

主な活動実績

私達は、
一人ひとりの
特性の違いが
理解・尊重された
社会を目指す
慶應義塾大学SFC発・
当事者中心の
非営利団体(NPO)です
活動内容を見る
...何をするのが好きで 何をするのが嫌いか とか
どんなやり方・どんな環境が自分に合っていて、
何が得意で 何が苦手か とか
好きな程度や得意な程度、
嫌いな程度や苦手な程度も
本当は一人ひとりが違う

けれど大抵、周りは「平均」に合わせた選択肢ばかりで、「ふつう」を押し付けようとしてくる

けれど、そもそも生き方や環境、「ふつう」のあり方には、今・ここにあるもの以外にも無数の可能性がある。

「みんな同じ」ことではなく、多様性が重要な現代でも、誰かにとっての「ふつう」に合わせて内面を押し殺すことは、必要な犠牲だろうか


数字で見る 「生きづらさ」

14.3 %
自閉スペクトラム当事者を社会が受け入れている度合い

「一般的に社会はあなたを自閉スペクトラムの人間として受け入れていると感じますか?」という趣旨の質問に対し、Yesという回答は日本で最も少ない14.3%でした。Noという回答は最も多い42.9%でした。

13 万円 / 月
障害者雇用での「発達障害者」の月給 (日本)

77 %
いじめられたことのある当事者の割合

カナダでの調査により、「特別な支援を必要としない」高機能の当事者を中心に、自閉スペクトラム当事者がいじめを受けてきたことはわかった。別の調査により、他の障害等と比べても自閉スペクトラムとADHDがはるか強く、いじめ被害と関連していることも判明した

70 %
無職 / 著しく能力以下の職に従事

自閉スペクトラムの当事者に関する調査

66 %
「死にたい」という気持ちを抱く

アスペルガー症候群の当事者に関する調査

9.6
自殺率

アスペルガー症候群の当事者に関する調査

支援対象にならないケース、差別、性被害...

そんな中、当事者の生活の中での経験から、NPO団体・DiODEN(でぃーおでん)は始まりました。

そして

DiODENは、「ニューロダイバーシティ」を専門に取り組む日本初の非営利組織です

現在は、発達障害の診断を持つ人を中心に、慶應義塾大学SFCの学生や、発達障害に関する研究者・家族・支援者など、多様な立場の当事者が参加しています

DiODENへの参加方法を見る

ここまで話してきたのは、「ニューロダイバーシティ」に関係する問題提起になります。 しかしそもそも、DiODENが推進している「ニューロダイバーシティ」とは何でしょうか。

ニューロダイバーシティとは?


私達一人ひとりは、それぞれが異なるニューロタイプ(発達特性。知覚や思考のあり方)をもっています。このようなニューロタイプの多様性を「ニューロダイバーシティ」(Neurodiversity)と呼びます。

しかし、近現代では多数派の特性に合わせて社会が均質的に構築されており、それに合わない特性を持っていると、様々な生きづらさに直面します。その中で、どうにか「ふつうのフリ」をしようとしても、常に内面を押し殺して生きることは難しいものです。
その上、このような生きづらさは「発達障害」として当事者側だけの問題と見なされることが多く、社会的な課題は軽視されがちです。

そこで、1990年代に「発達障害」の一種であるアスペルガー症候群の当事者による市民権運動の中で生まれた概念が「ニューロダイバーシティ」です。

この「ニューロダイバーシティ」のパラダイムでは

唯一の「正常なニューロタイプ」があるという前提に疑問を投げかけ、むしろニューロタイプの多様性(ニューロダイバーシティ)を尊重していく

ということを重視します。

このような社会や組織には、以下のようなメリットがあると考えられます。

参考資料:
Walker, N. (2014). Neurodiversity: Some basic terms and definitions. Neurocosmopolitanism.
Singer, J. Neurodiversity: Definition and Discussion. Neurodiversity2.0. https://neurodiversity2.blogspot.com/p/what.html.


そして、ニューロダイバーシティ視点による環境の最適化が、海外では スタンフォード大学Microsoft社オーストラリア国防省など各所で活発に行われており、日本でも筑波大学などが先進的な取り組みを行っています

DiODENの理念

私達は、アスペルガーやADHD、2Eを含むギフテッドなどの少数派のニューロタイプをもつ当事者も、もっと自分らしく活躍でき、自信を持てて、これ以上つらい思いをしないで済む社会を目指します。そのためには、ニューロダイバーシティが尊重された「生きづらさのない社会」、つまり

アスペルガー(自閉スペクトラム)やADHD、ギフテッドやその傾向などの少数派の認知・思考のあり方が、社会において構造的にも直接的にも、差別されず、 それぞれの特性にあった教育・労働などの環境が、同じように社会で整備されること

が必要だと考えています。そしてそれは、 社会にとっても利益につながるはず だと私達は考えています (より具体的には、生きづらさのない社会への6提案を御覧ください)

ビジョン


周囲の環境が自分の特性に合っていないと、様々な生きづらさに直面しがちです。特にマイノリティの発達特性を持っている場合は、自分の特性に合った環境が少ないことも多いです。
ニューロダイバーシティに関するNordic relational model
そこで私たちは、アクセス可能な環境や生き方の選択肢を広げたり、特定の特性の人を排除しない環境を増やしたりすることで、それぞれの特性が発達「障害」ではなく「才能」や「個性」になる社会を目指します。 加えて、それぞれに異なる発達特性の「当事者」が強みを活かし合い、苦手を補い合っていきます。
異なる発達特性の人が強みを活かし、弱みは補い合う社会のイメージ写真

このような社会では、多様なニューロタイプの視点があることによって、複雑で絶えず変化する現代に適応し、イノベーションを起こすことができます。

そして、そのような社会は「多様性を排除しないこと」によって価値を生み出しているため、「発達障害」とされるようなマイノリティの当事者も、適正な賃金・環境・教育・働き方を選択する事ができると考えます。

DiODENへの参加方法を見る

私達全体のテーマとして

10人に1人が発達障害 ?

文部科学省の調査によると、(特別支援級ではない)通常級において、小学一年生の時点で9.8%の子供が「発達障害」である可能性があります。また、アメリカの調査によれば11%の子どもが、発達障害の一種であるADHDと診断されています

またアスペルガーやADHDなど、非定型発達(発達障害)の傾向は人類の中にグラデーション状に分布しており、濃淡や「生きづらさ」の度合いには差があるものの、多くの人に傾向が存在します。したがって診断や自覚がなくても、生きづらさを感じることがある人はいるはずです。

自閉スペクトラムの傾向が全人口に連続的に分布している様子
▲ あらゆる人に特性が連続的に分布している
出典:日経ビジネス(https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00112/00041/?P=3 2022/8/4閲覧)
「完全に平均的な脳」はない

様々な神経学的特徴のうち、「どの部分を取っても平均的」という人間はいないはずです。そしてそもそも、私達は全員がそれぞれに違う脳を持っています。私達全員がニューロダイバーシティの「当事者」だと、DiOEDNは考えています。

事業内容


ニューロダイバーシティ・パターン制作事業
当事者としてニューロダイバーシティの考え方に共感しても、実生活の中で、周囲から「ふつう」とされる振る舞いを求められて、板挟みになることは多いです。しかし、自分の内面を抑え込んで、表面的に「ふつう」に見える振る舞いを演じても、別の苦しさが生じることがあります。
そこでこのプロジェクトでは、特性を活かして活躍している当事者に注目しました。私達は、彼ら・彼女らが持っている経験則・ライフハックや、周囲の環境の特徴を パターン・ランゲージ という、よい実践に共通するコツを言語化する手法によって共有し、当事者一人ひとりが自分らしく活躍するためのヒント集を作っています。それによって、当事者がボトムアップで社会を変えていくことを目指します。
現時点で 数十人の当事者や支援者などへの聞き込みや文献調査を行い、1300個以上の経験則を抽出しました。
詳しくはこちら
日本初の、ニューロダイバーシティ専門メディアの開設
「ニューロダイバーシティに関する英語以外の情報が国内で圧倒的に不足している」という事実が、先進的な取り組みや活発な議論の妨げになっているという課題意識から、ニューロダイバーシティに関わる情報を発信するブログであるニューロダイバーシティ・ニュースを立ち上げ、運営しています。
いつでもどこからでも参加できる、オンラインコミュニティ
リアルの当事者会・自助会が近くになかったり、参加のハードルを感じたりする方にも参加しやすく、また診断の有無に関わらず参加できるニューロダイバーシティのDiscordコミュニティです。情報共有などを通したメンバーのQOLの向上や、メンバーの交流などを目的としています。
詳しくはこちら
みんなで知識をシェアする、「発達障害」に関する情報のハブ
「発達障害」に関する体系的な情報が不足していて、十分な情報に当事者がアクセスすることが難しいという課題意識から、みんなで情報をシェアするWikiサイトを創りました
日本橋ニューロダイバーシティプロジェクトへの参加
ニューロダイバーシティが尊重された「生きづらさのない社会」を実現するために、ニューロダイバーシティのコンセプトの職場への実装によって、 より多くの当事者が経済的に自立できるようにすること はとても重要だと思われます。そこでDiODENは、武田薬品工業株式会社が主催し、経済産業省などが協賛する日本橋ニューロダイバーシティプロジェクトに賛同し、参加団体と連携することで、その可能性を模索していきます。
詳しくはこちら
その他の事業
  • 公式Twitterアカウントにて、当事者に役立ちそうな情報の発信や、DiODENの活動・イベント・ブログ記事などの紹介をしています
  • 公式YouTubeアカウントにて、DiODENの活動や発達障害・ニューロダイバーシティに関する情報などを発信しています
  • 適正賃金、かつ一人ひとりに合った職場環境を実現する、ニューロダイバーシティを尊重した持続可能な雇用システムの開発・普及を行うソーシャル・ベンチャーを企画しています
  • その他、ニューロダイバーシティや発達障害に関する様々なイベントで講演を行っています

一緒に
「生きづらさのない社会」を
目指しませんか?

現在・そして未来の当事者がこれ以上生きづらさに苦しむことがなく、"周りと同じ"でなくても、自分の人生を生きられるような社会を実現するため、様々なメンバーが活動しています。

日本で初めてニューロダイバーシティの理念の普及を目的として設立されたNPO団体であるDiODENで、一緒に「生きづらさのない社会」を探りませんか?

参考: DiODENメンバーへのインタビュー

DiODENへの参加方法を見る

特に現在のようなニューロダイバーシティ黎明期において、NPO団体の活動の維持・拡大のためには、あなたの寄付がとても必要です。

多様な発達特性の当事者の協働によって、一人ひとりの幸せに繋がるニューロダイバーシティを実現するため、弊団体への寄付をご検討頂けますと幸いです🙇

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注記
  1. 制度上は他の選択肢があることもありますが、主要なもの以外の選択肢には様々な不利益や障害があり、不利になることがあります
  2. Keating CT, Hickman L, Geelhand P, Takahashi T, Leung J, et al. (2024) Cross-cultural variation in experiences of acceptance, camouflaging and mental health difficulties in autism: A registered report. PLOS ONE 19(3): e0299824. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0299824
  3. 給与は平均値。引用元:
    https://www.jsh-japan.jp/cordiale-farm/column/845/
  4. 引用元:
    https://jp.reuters.com/article/world-work-autismatwork-idJPKCN1SF0WD
  5. アスペルガー症候群は廃止された診断名で、主に知的な遅れや言語発達の遅れのない自閉スペクトラムを指す
  6. 当事者のうち、自殺念慮を抱く人の割合は66%だった
    引用元:
    http://www.qlifepro.com/news/20140724/suicide-risk-in-adults-with-aspergers-syndrome.html
  7. 引用元:
    http://www.qlifepro.com/news/20140724/suicide-risk-in-adults-with-aspergers-syndrome.html
  8. 引用元:
    https://theconversation.com/kids-on-the-autism-spectrum-experience-more-bullying-schools-can-do-something-about-it-184385
  9. 引用元:
    https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2792743
  10. 引用元:
    https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2021/forum308.pdf?la=ja-JP&hash=FC080EBB30D008E42C64626993EF00D93E87AC95
  11. 引用元:
    厚生労働省:「【資料3】障害児通所支援の現状等について」
    https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000791880.pdf p.7
  12. 引用元:
    TEENS
    https://www.teensmoon.com/pdd/data/